テスト前になると慌てて勉強し始める。
テスト前日はオール(徹夜)して乗り切る。
時間がないから、よく分からんがそのまま丸暗記…。
もし受験期に地獄、無慈悲な現実を見たくないのなら、
一夜漬けの勉強は即刻やめるべきだ。
美容と健康のためにも睡眠時間を削らない方がいいし、
それに何より、一夜漬けには何の意味もない。
得られるのは「いやー勉強したな」というムダな満足感だけだ。
一度で懲りればまだいい。でも、多くの子どもたちは、
また同じ過ちを繰り返してしまう。
それを子どもたちの責任にするのは容易いが、
僕はどうしても、子どもたちだけを責める気にはなれない。
確かに、やる気がゼロなら仕方がないかもしれない。でも、
曲がりなりにもテスト前に必死になって勉強している姿を見ると、
どうやら少しはなんとかしたい、そう思っているのだろう。
それでもなぜ、毎度毎度過ちを犯すのか。
答えは簡単、
コツコツやれないのではなく、コツコツやる方法を知らない。
勉強ができないのではなく、勉強法を知らない。
計画が立てられないのではなく、まともな計画の立て方を知らない。
そう、「方法」を知らないのだ。
よく考えてみると、数学や英語など教科の勉強は毎日イヤほど教えられるが、
「どうやってするか」は誰も教えてくれないではないか。
子どもたちがハナから自分で最適な方法を見出すのは不可能に近い。
ということは、それら学び方を教えない大人にも責任があるのではないだろうか。
「いくら勉強法を教えたところで、どうせやらないんですよ!」
そう反論される方もいるかもしれない。
でも、誘惑を絶ち決めた通りに行動するのって、
大人でも難しくないですか?
多くの大人たちが三日坊主状態だから、
書店にずらりと、計画立て関連の本や精神修養の本が並んでいるのでは?
そんな大人でも難しいことを、子どもが独力でできるとは思えない。
つまり、子どもたちに必要なのは、
「正しい勉強法」と、「それを見守り叱咤激励してくれる存在」なのではないか。
逆にそれさえ揃っていれば、子どもはまず間違いなく、伸びる。
成績の悪さを、「自分には才能がないから」の一言で諦めてくれるな。
そんなの、自分への最大の裏切りだ。自分が可哀想すぎる。
成績が伸びない原因を自分に帰着するのはまだ早い。早すぎる。
もっと目を向ける場所があるはずだ。
一夜漬けに走る子どもたちを見ると、僕はいつも悲しくなる。