私を、笑わないでください
大きな志を持つべきだ
誰かの役に立ててこそ
そんなの誰が決めたのですか
教えてください
私を、蔑まないでください
まともな道を描きなさい
もっと普通に考えなさい
それで幸せになれるのですか
教えてください
大小に多寡にこだわり
利他に常識にしばられ
いつしか心をうばわれ
それでもあなたは幸せですか
教えてください
誰に何を言われようと
私は私で在りつづける
私は誰も難じかえさぬ
そんな強さを持てるのですか
教えてください
本当かどうか知らないけれど、
朝の品川駅周辺を足早に歩くサラリーマンの“群れ”が
海外からの観光客に「ばえる」そうだ。
日本の教育水準は世界的に見て非常に高いという。
その一方で、画一的な教育が無個性を量産するとも言われる。
その他大勢とは違った道を歩むこと、
周りに迎合せずに自らの信念を貫くこと。
ことに日本においては、
協調性を必要以上に重んじる向きがあったり、
キャリア教育の空疎さからビジョンを持たない人が多かったりで、
考えやビジョンを声高に宣言する人は少数だから、
本当に勇気がいることなのかもしれない。
僕たちはそんな“異端児”たちに、
もっと温かい目を向けてもいいんじゃないか。
別に彼(女)らの価値観や言動に賛同しなくたっていい。
ただ、その存在を受け入れ肯定することくらいはできないか。
この排他的な社会が少しずつ変わりつつあり、
自分の生を生きることに寛容になりつつあるのは、
彼(女)たちの尽力によるかもしれないのだから。
そもそも僕たちに他者を否定したり排除したりする権利はない。
誰もが等しく尊い価値を持つのだから当然だ。
でもそれは、
嫌いな奴を好きになれってことじゃない。
合わないなら合わないなりに折り合いをつける、
自分と相容れない存在がいることを前提とする、そんな感じか。
そんな寛容な態度を取る人間が増えることが、
周りの目を気にすることなく、
もっと自分らしく生きられる社会をつくっていくのだろう。
社会について、他者について、多様性について…。
子どもたちと一緒に考えるべき命題が山積みだ。