公立高校および一部の私立学校が、明日から学校をスタートさせるようだ。岡本にはその方針が理解できない。
再開したところで、すぐに休校になるのは誰の目にも明らかじゃないか。いったい何のために刹那的に開校するのか。新しい教材の配送費を浮かすためなのか、少しだけでも受験知識を詰め込みたいのか。それらと引き換えに大きなリスクを背負う覚悟ができているとは到底思えない。
「体調に少しでも異常がみられる生徒は来ないでください」?仲間に会いたくてうずうずしてるやつらに、そんな声が聞こえるわけがない。(第一無症状での感染が確認されている。)
UTUWAは今回の学校再開について反対します。
子どもたちには体調に関わらず学校に“行かない”ことを勧めます。
この“コロナ危機”は、アナログからデジタルへの移行を加速させている。でも、それ以上に大きな意義を持つのは、この世界が不完全であることを多くの人びとに突き付けたことだろう。
ワクチンがない-。そりゃそうだ。薬も治療法も、何もかもが先人たちによってもたらされたものであって、今この世を生きる誰かがそれを開発しない限り存在しないのだ。
情報が錯綜している-。「偉い人が正しい」のではない、何が正しくてそうでないのかは、自分で考えなくてはならない。正しい知識こそが自身の命を守ってくれるのかもしれない。
会社が次々と倒産する-。お金を稼ぐって何だろう。経済を回すって何なんだろう。資本主義経済は本当の意味で僕たちを豊かにしているのだろうか。
世界中に広がるウイルス-。僕たちが思ってる以上に、世界は密につながっていて、そもそもの“国”という概念を見直さなきゃいけないんじゃないのか。
世界が不完全であり、今もなお更新され続けていること。
そして世界を更新する力を一人ひとりが持っていること。
教育に携わる人間として、それを何らかの形で子どもたちに伝えたい。
世界の主人公はいつだって自分なのだ。