みなさん、ご機嫌よう。
新月を眺める男、安部です。
さて、今回はバスケ部編の第2弾となります。
色々と悩みましたが安部の壮絶な引退試合の前編をお送りしたいと思います。
夏のインターハイ予選。
それは多くの高校生にとって引退を決める大会となる。
少しでも長くこの仲間たちとバスケをし続けるために。
そんな熱い想いがぶつかり合う。
1回戦、2回戦と順調に勝ち進んでいた僕は非常に調子が良かった。
2桁得点、2桁アシスト。
フリースローは10本連続で決めていた。
練習中を含めれば30本以上連続だ。
すべてがかみ合ってもう外す気がしなかった。
そして、迎えた3回戦。
こんなところで負けるわけにはいかない。
僕たちのプレースタイルは試合開始から終了まで、
常にオールコートゾーンプレスをかけ続け、バチバチにやり合う。
しかし、この日は違った。
4回戦で当たるであろう高校が視察に来ていたからだ。
いつものスタイルではなくハーフコートマンツー。
いつもと違う戦術だが、焦らずじっくりやり合えばいい。
そうは思ってはいても、噛み合わない。
どうにもリズムが生まれないのだ。
一度狂いだした歯車はもう止まらない。
何とかリズムを取り戻そうとゾーンプレスをかけても、もう遅い。
一進一退の攻防を繰り広げ、僅かな点差を行ったり来たりしながら、
そのまま第4ピリオドに突入していた。
決めては決められ、
止めては止められ。
そして・・・
67対69
残り時間
6秒
相手のフリースロー2本という絶体絶命の状況の中で、
お互いに残されたタイムアウトを使い切る。
ボス「この状況でフリースローを決め切れる高校生なんていない。」
ボス「絶対に外す。だからリバウンド取ったらすぐにガードに出せ。」
ボス「最後に決めるのは誰だ?」
ボスが全員を見渡す。
タイムアウトの終了を告げるブザーが鳴る。
”俺しかいないだろ”
両頬をパンッと叩き、コートに出る。
”こんなところで負けてたまるか”
はい!ということで、前編終了でございます。
残り6秒という僅かな時間で果たして追い上げることができるのか!?
この後にどんなドラマが待ち受けているのか…こうご期待!!
それではまた来週お会いしましょう!