先日、うちの生徒たちと一緒に、
これまたうちの生徒たちがテニスの大会に出場するというので、こっそり応援に行ってきた。
学生のテニスの大会って初めて見たんだけど、
とてもびっくりしたことがある。
審判がいないのだ。
だから最初、試合前のアップをしてるんだと勘違いしてしまった。
それにしてもアップ長いなぁーそんなアップしたら疲れてまうで?
なんてぼーっと見てたら、時々スコアボードをめくって点数をつけてる、
しかもこれまた自分たちで。
岡本がアップだと思っていたのは実は試合で、
ジャッジもスコアリングも自分たちで管理すると。
県大会の決勝でさえ(関東大会でも?)その仕組みだそう。
子どもたちも口を揃えて
「いやー自分たちでやるってヤバいっすよねー」とか
「たまにズルするやつもいるんすよー」なんて言いながらも、
慣れているのか諦めているのか、
甘んじてそのシステムに従っている感じだ。
試合数が多いからなんだろうけど、
子どもたちが審判なりスコアラーなりを持ち回りで担当すれば
ある程度不正や不公平を減らせるだろうし、
違う視点からテニスと向き合ういい機会になりそうだなんて、
何も知らない素人(=岡本)は思うのです。
ところで、素人って、もっと大事にされていいと思う。
(岡本自身を擁護しているわけではない。)
当事者の間では到底出てこないような視点を提供してくれるからだ。
「当たり前」とか「常識」になってることを問い直すのは容易ではない。
ずっとテニスが身近にある生活を送る人たちに、
「そもそもなんでそんな得点数えにくくしちゃったんすか?」って疑問が生まれるだろうか?
高校に進学して大学を目指す受験生ばかりの環境で、
「そもそもなんで大学に行くんですか?」って疑問が生まれるだろうか?
いかに分かりやすい授業ができるか競い合うプロの先生たちから、
「そもそも授業って必要なんですか?」って疑問が生まれるだろうか?
生まれないことはないけど、
それに慣れきってもはや「空気」と化した状況下では、
そういった疑問はやはり生まれにくいだろう。
「無知は黙ってろ」とか「何も知らないのに偉そうに」とか。
そうやって素人の意見を蔑む人が多いせいで、
どうしても肩身の狭い想いをするわれわれ素人だけど、
素人が抱く疑問やアイデアには、
現状を劇的に良くしたり、未解決の問題を解決したりするような
とてつもないヒントが隠されていることがあるので、
素人軽視組の方はぜひ、素人の言葉に真摯に耳を傾けていただきたい。
また、素人の皆さんには、素人にしか見えない貴重な視点があることを自覚し、
自信を持って発言していただきたい。
「いえ、私素人なんで・・・汗」
なんて萎縮する必要なんてないどころか、
「はーい、ここに素人がいますが、
革命を起こすお手伝いしましょうか?」
くらいのノリで堂々としてもらいたい。
その道のプロとか、専門家とか、玄人にしか見えない世界もあれば、
なんの知識もない素人にしか見えない世界もある。
つまり、習熟度にかかわらず、どのレベルにあっても、
いつ何時も、あなたと、あなたから生まれる考えは尊いのだ。
もし、そんなあなたを笑う人がいるなら、
それは貴重なヒントを得られるチャンスをみすみすドブに捨てている憐れな人なので、
どうかその人にために涙を流してあげてほしい。