みなさん、ご機嫌よう。
止まらない男、安部です。
さて、今回は安部の中学生時代にはまっていたことを書いていこうと思います。
中二病とはよく言ったもので、
この年の男子というのはみな墓場まで持っていきたい、
そんな黒歴史の1つや2つ存在するものだ。
当時の僕は男子校に入学し、
男子だらけの生活というのもそれはそれで楽しいのだが、
やはりどこか満たされない想いがあった。
とにかくモテたい、
いやとりあえずちょっとでいいから女子と話したい。
学校にいないのならば別にその辺で女子に声をかければいい、
今でこそそう思うが、しかしそんな勇気は当時の僕にはない。
そんなモヤモヤを解消するべく取った僕の行動は、
夜の公園で月を眺めることだった。
なぜか。
女子はミステリアスな男子にひかれるからだ。
女子という存在から隔絶された世界では、
恐ろしいことにそんな誤った情報がまことしやかに信じられているのである。
その当時の僕に手紙を出せるのであれば、
それは惹かれるではなく、引かれるだよと伝えてあげたい。
しかし、僕は信じて疑わなかった。
夜の公園で月を眺めるミステリアスな少年にきっと素敵な声がかかることを。
来る日も来る日も女子に声をかけられることを期待して、
滑り台の上でも絶妙に見える位置に寝ころんでいた。
女子に声をかけられたときの返しも完璧にイメージして、
女「そんなところで何してるの?」
安「・・・聞かない方がいいと思うな。」
実にミステリアスでおぞましい返事も用意していた。
そんなある日、
ついに僕に声がかかったんだ。
「きみー何してるのかな?」
お巡りさんだった。
それはそうだ。
夜の公園に13歳の少年がいればそれはもう補導対象だ。
一生懸命考えた渾身の返しをグッと堪えて、ここは本当のことを言おう。
安「月を眺めていたんです。」
警「嘘だよね?」
本当です。本当なんです。
女子にモテたくてただ月を眺めていたんです。
悪いことなんてしてないんです。信じてください。
安「本当です。」
警「・・・何か悩みでもあるの?」
安「いえ、特に悩みがあるわけではないですが。」
警「ほら。」
くそ、はめられた。
でもしょうがないじゃないか。
何かに思い悩んで月を眺めていたわけじゃない。
安「お巡りさん、月を眺めるのに理由なんて必要ありませんよ?」
警「・・・部活とかやってないの?」
安「えっ?部活ですか?バスケ部ですけど。」
警「へぇ、そうなんだ。いつも帰りはこれくらいの時間なの?」
安「そうですね。部活が終わってから電車で帰ってくると大体これくらいの時間です。」
警「そっかぁ。名前はなんていうの?」
安「安部泰祐です・・・っ!!!」
このお巡りさん、やりやがる。
急に関係ない話をしだしたかと思ったら、
緩急つけて名前を聞き出しやがった。
あまりにも自然すぎて何の違和感もなく名乗ってしまった。
月を眺める理由がないあたりで相当警戒されてしまったようだ。
よく見ると滑り台の下にはもう1人の警察官がいて、
僕の自転車の登録証にライトをあて、名前を照らし合わせているようだ。
まぁいいだろう。
盗んだ自転車(バイク)で走りだしたわけではない。
その後、とりとめのない話をしながら照合結果を待ち、
無事僕の自転車であることが明らかになった。
お巡りさんからはあまり夜遅くに怪しいことはしないようにと注意され、
それこそが僕のやりたいことなのでどう返答しようか迷ったものの、
とりあえずはイエスと返しておくのだった。
ふと空を見上げる。
そこにはあるはずのものがない。
当然だ。今日は月に一度の宵闇。
そう、それは新月の夜の出来事だった。
はい!ということで、恐ろしいですね!笑
最後の下りとかもはやホラー小説かって話ですよ。
まぁ理由はさておき、個人的には月を眺めるのは結構おススメです!
色んなことを自分の中で対話する時間にはもってこいですね。
それではまた来週お会いしましょう!