少々見にくいが、上の写真は、
とある飲食店で食事をする男女を撮影したものだ。
ここで問題。
この写真を見て、あなたはこの場面から何を読み解くか。
男女とも顔にナプキン押し当てている。
どうやら二人は涙を流しているのだろう。
昼下がりの飲食店で男女が泣いているなんて、
よほど何か悲しいことがあったのか。
実はこれ、
右の女性は親友の温かい想いに涙を流している一方で、
左の男性はそれを見て笑い泣きしている場面なのだ。
どうだろう?
おそらく、その場に居合わせて、
事の成り行きを一部始終おさえた者だけが分かるだろう。
そう、写真を見ただけではまったく分からないのだ。
注意しなきゃいけない。
この写真から男女の心情を読み取ったように、
僕たちは、その場の情報だけで、
物事を軽率に判断してしまうことに。
一度見ただけで、聞いただけで、会っただけで、触れただけで、
〇〇はこんなもんだ、
〇〇はこんな奴だから、
〇〇なんてたいしたことない…
そうやって簡単に決めつけていないだろうか?
目の前の現実はそんなに単純じゃない。
安易な決めつけは、ときに危険だ。
そしてもう1つ。
さらに注意しなければいけないことがある。
それは、あなたの周りの人たちのほとんどが、
そうやって安易な決めつけであなたを評価すること。
すぐに思い当たるんじゃないか。
長時間懸命に勉強していたあなたが、
つかの間の休息に漫画本を手を伸ばしたとたん、
母親が部屋に入ってくる。
マンガ本を手にしたあなたを見るやいなや、
「またマンガばっかり!少しは勉強したらどうなの?」
“現場”をおさえられたが最後、
もはや何の言い訳にも母親には届かない…。
一瞬で決めつけられる好例だろう。
ところで、人はどうしてそんな瞬間的に、
あなたの言動を、ときに謝って解釈できるのか。
そう、経験則だ。
過去の経験から、
あなたが勉強をサボってマンガを読んでいる、
その可能性が高いと判断されたわけだ。
だから母親は、何のためらいもなく
怒りをあなたにぶつけたのだ。
人はそうやって、過去の経験に照らして、
物事を一瞬で決めつけてしまうことが多い。
だからこそあなたには、
過去に引っ張られることなく、
目の前の事実にだけ目を向け、
正しく判断する習慣を身につけてほしい。
そしてまた、
人が過去の経験に基づいて、
一瞬で物事を解釈してしまう生き物だと理解したうえで、
誤った決めつけを防ぐ手立てを考えるなり、
何も分かっていない外野の声を一切気にせぬなり、
適切な行動をとってもらいたい。
それにしても、
友愛の涙を流す女性を前に、
涙を流すほど笑っている男性はいったい…。
どうぞあなたの好きなように解釈して頂こう。