安部の受験期 #3 「変身」

安部の受験期 #3 「変身」

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みなさん、ご機嫌よう。

馴れ合うだけの友だちなんていらない、安部です。

 

さて、自分の受験のためだけに友だちをバッサリ切り捨てた非情な安部青年ですが、
その甲斐あってか、めきめきと成績を上げていきました。

10月の模試で化学の偏差値が70を超えるという奇跡を起こし、
あれ?もしかしていけんじゃね?と調子に乗り始めていた頃、塾の年越し合宿に参加するのでありました…

 

 

 

 

 

「ついに合宿かー」

 

安部青年は塾の年越し合宿に参加するべく、集合場所の公園に集まっていた。

 

 

 

ところでこの塾、今まで紹介したことはなかったが、かなりアツい塾であった。

先生はただ一人で、それ以外はチューターと呼ばれる卒塾生(大学生)が十数名ほど。
英語のみを授業で教えており、その他教科はチューターが質問対応してくれる。

 

とまぁここまでだと、ただの個人塾かーくらいに思えるが、
その先生とチューターの熱量がとにかく半端ない。

3時間授業のうち、約30分くらいは人生や生き方、人種差別、環境問題、
これまでの時代、これからの時代、卒業生の手記などの話をしてくれる。

 

いやいやちゃんと授業だけしてろよと思われる方もいるかとは思うが、
この話こそが塾生の最大のモチベーションとなっているのだ。

事実、その先生やチューターの熱にあてられた塾生たちは、朝から晩まで勉強漬けとなり、
(僕は始発で塾に行っていたが、いつも数名は先に自習していた…)
もちろん、安部青年もその1人であったわけだ。

 

さて、前置きが長くなってしまったが、そんなアツい塾の合宿だ。
合宿も当然、アツく燃え滾れるだろうとワクワクしていた安部青年。

もはやアツさを通り越して恐怖の合宿になるとは、そのときまだ知りもしなかったのです。

 

 

 

「べらべら喋ってないでさっさと並べ!」

 

 

 

普段は優しいはずのあのチューターさんが何故かピリピリしている。

おやおや、カルシウムが足りてないのかな?そんな感じでのんきに考えていた。

 

バスに乗り込み、合宿場である山梨県まで。
移動中は勉強する子もいれば、多少喋る子、寝る子、それぞれ思い思いに過ごしていた。

バスから荷物を下ろし意気揚々と合宿会場であるホテルに入ると…

 

 

 

 

 

「「「ちんたらすんな!!!走れぇぇぇ!!!」」」

 

 

 

 

 

まさかの怒号が鳴り響いた。

一瞬何を言われたのか全く理解できず、立ち尽くした。

すると、再度近くにいたチューターから怒号が飛んでくる、「走れ」と。

ここは一体どこだ。どこに来てしまったんだ。

 

僕は何も分からないまま走り出した。

 

 

 

事前に伝えられていた部屋に荷物を下ろし、大会議室へ。

そして、異様な雰囲気の中、恐怖の合宿の幕が開けた…

 

 

 

 

 

さて、この後合宿では様々な事件が起きるわけですが、全部書くと超大作になってしまうので、
少しずつ分けて書いていこうと思います!

それではまた来週お会いしましょう!

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